ぱんだやまの映画大好き

映画の感想などを書いてみたいと思います。

お早よう

お早よう

監督:小津安二郎

出演:笠智衆三宅邦子杉村春子東野英治郎

1959年製作/日本/94分

 

NHKBSで放送されたのを録画して鑑賞。リマスター版です。
実になんていうことのない物語なんだけど、これはとてもおもしろい!「東京物語」や「秋刀魚の味」も見たけれどこっちは大人がメインで少し寂しいお話、「お早よう」はそれらの作品とは違うコメディタッチですごくよい。

東京の郊外の市営住宅みたいな場所、これがまぁとてつもなく高い土手の下にある。
そこで隣近所のおばちゃんがずかずか家に入ってくるような様子がまぁめっちゃおもしろい。今では絶滅しちゃった風景だけど、少し前まではああだったなぁ・・・。

笠智衆のお父さんの子供達、実と勇、大人の行動にいらいらして、口を利かなくなるんだよね、お兄ちゃんはまぁ普通なんだけど、弟の勇ちゃんがかわいらしくって、よくこんなに演技できたなぁ・・って思った。いまどうしてるんだろう?

テレビを見てると日本人一億総白痴化しちゃうとか、今では行ってはいけない言葉ですが、テレビで頭悪くなってたら今ってどうなんだろ???
とにかく、掃除機、炊飯器、洗濯機それから冷蔵庫が普及し始めた時代がよくわかって興味深いし、デジタルリマスターされていて、家の中の家具や小物がすごくよく見える。ちょっとだけお金持ち風の若い女性が西洋の寝間着(パジャマ)着てる・・とか、英語を教えてくれてる先生のおうちが公団の団地みたいだったりとか、間取りもおもしろい。
小津監督独特のローアングルからのシーンが今見ると、ウェス・アンダーソン監督に似てるような気がして、それもまた楽しい。

ずいぶんと昔のお話だけど、今見ても全然古臭くないしおもしろいので、たくさんの人に見てもらいたいと思う。今こういうなんでもない映画作れる人っているのかな?とってもおすすめであります。

 

おしまい