1987年・西ドイツ
BSプレミアムで放送されていたのを観ました。結構有名な作品だけど、今まで観る機会がなくて・・ただ録画をしなくて、ぼんやり観てしまった・・という、もう一度落ち着いてゆっくり見たい映画です。
物語はドイツ人の中年ぽっちゃり奥さん(ヤスミン・・英語読みだとジャスミン)が夫とアメリカ旅行中に大喧嘩をして一人車を降りて歩いて行ってしまうところから始まります。ただ道があるだけのえらい乾燥した砂漠のような土地・・
やっとみつけたガソリンスタンドとカフェとモーテルを一緒にしたさびれてほこりっぽい「バクダッド・カフェ」彼女はここにしばらく滞在することにしたのです。
英語は少しはできるけどぺらぺらって感じじゃないのがいいし、ガタイが大きくて無骨な感じがいかにもドイツ!って感じなのもよい。
カフェの住人はこれまたみんなそろって不満を抱えていてすごく不機嫌、特に女主人のブレンダの不機嫌さといったらもう暴力的としか言いようがないぐらい恐ろしい。とにかく全部ほこりっぽいしよごれているからますます心もすさんでいくよう・・・
大昔に実家にあったみたいな保温ポット、埃っぽくてひたすら暑い風、光の当たり具合と色彩・・全部がおしゃれで、目が離せない。
物語は特に何事かあるわけではないひたすらの日常・・・でも埃っぽい人々の中に違う世界の人間が入り込んでいったことで、何かが少しずつ変化していく。
たとえば掃除と整理整頓・・・これだけでちょっと違ってくる。
だんだんとお店にも活気が出てくるんだけど、ヤスミンがドイツに帰らなければならなくなって・・・。
後半ブレンダの笑顔が見えるのがものすごく救い・・・ブレンダ歌がめちゃくちゃうまかった!(笑)
そして有名な「I am calling you」のメロディーがせつなく流れてすばらしい・・・
午前十時の映画祭でやってくれないかなぁ・・(前上映されていたような気もしますが・・)
おすすめです!