監督:セリーヌ・シアマ
出演:ジョセフィーヌ・サンス、ガブリエル・サンス他
2021年・フランス・73分
原題:petite maman
原題は「小さいお母さん」でいいのでしょうか?その通りなんだけど、この映画は邦題がすてきすぎる。最近はカタカナでそのまんまのタイトル多いけど、これは考えた人の勝利??原題より好きかも
大好きなおばあちゃんが亡くなって、お母さんの実家を片付けて自宅に帰るまでの数日を73分にまとめた作品。主人公の女の子ネリーはおばあちゃんにちゃんとお別れの挨拶ができなかったことを気にしている様子・・。お母さんも実家があまり好きじゃないのか?それとも母親を亡くした喪失感でぐったりしているのか?元気がない様子。
最初ぼんやりと観ていたけれど、とても静かな画面のトーンや奥行き、音がすばらしく、目が離せなかった。
森を通り抜ける風の深い音、緑の淡い色、ちょっと寒そうな空気感。
何といってもメインの二人の女の子の表情がほとんど動かない静かな演技がすばらしい。
お父さんもお母さんも多くを語らない、しかも突然お母さんが出て行ってしまう。お父さんは最後までどんな人なのかよくわからない(この手の作品に多い傾向?)
お母さんが出ていくタイミングで何かのスイッチが入ったのか?森の向こうにいたのは”小さいお母さん”だった。
二人は本物の姉妹。演技なのか?アドリブなのかわからない笑顔が楽しい。最後の方のクレープを作るシーンは演技じゃなかったのかなぁ??って思うぐらい楽しそう。
家の中のインテリアがおしゃれ!壁紙がかわいいし、キッチンの造作や、洗面所のタイルとか凝ってる。日本で言う北欧風かな??窓から入る光のゆらゆらまでが美しい・・
小さいお母さんのいる家には若いおばあちゃんがいて、そのおばあちゃんに最後ちゃんと「さようなら」が言える。そこで物語は終わります。
特に何かすごい起承転結があるっていうおはなしではないんだけど、とっても素敵な映画でした。
こういう作品をもっとたくさん見たいなぁ・・。
「思い出のマーニー」に似ているなぁ・・って思ったのは自分だけでしょうか?
おすすめします。
おしまい