ぱんだやまの映画大好き

映画の感想などを書いてみたいと思います。

神々の山嶺

神々の山嶺

ご存じ夢枕獏氏の小説を谷口ジローさんが漫画化した作品をフランスでアニメ映画化した傑作であります。

原作小説は上下巻でかなりのボリュームですが、そこを主人公二人、カメラマンの深町と孤高のクライマー羽生とのエピソードに絞り94分間という絶妙な尺にまとめあげたスタッフの力量はやばいです。

登場人物の線は粗削りな描き方で今のアニメとはちょっと違う雰囲気ですが、背景の山並みは逆に非常に繊細で実写の方が迫力あるに決まってるだろ・・と思いがちですが、これが逆で空気が薄そうだったり、寒くて凍りそうだったりするのが観ている側にも伝わってくる息苦しさでした。
人物の線は粗め・・とはいえ、少し昔の登山用品とか、クライミングシーンとかとても丁寧で正直怖すぎで、絶対やらないです(やるわけないけど)って思いました(;´∀`)。

羽生が若いころに一緒に登った「岸くん」彼とのエピソードは原作でも強烈ですが、
映画でもしっかり描かれています。怖かった・・・

深町が羽生を追ってネパールへ行くあたりから、やや泣きそうであります(;´∀`)
もうネパールの空気感最高でした!

ビバークする二人・・・

羽生は戻ってこなかったのです・・・。

原作の小説を繰り返し読んでいるぐらい、好きなもんで、思い入れもあり、岡田准一くんの映画に落胆していたので、この作品は本当に楽しみでした。
フランス製作なのに、東京(しかも一昔前)の様子がとてもよく描かれていたのにも驚きました。
この作品が日本で作れなかったこと残念に思います。
また良作にもかかわらず、上映館が非常に少ないこと、とても残念です。
大きな山やどこまでも続く山並み、一歩一歩登っていく壁・・スクリーンでないとこの迫力は実感できないと思います。

超絶おすすめです。